舌が痛い

2022年1月28日

■舌痛症とは

舌の表面は外見上異常がないのに、舌がヒリヒリとした慢性的な痛みやしびれた感じが続くのが舌痛症です。発生する部位は舌の先や縁に多く、舌の奥や中央が痛むこともあります。
人によっては入れ歯や歯列矯正具などの物理的な刺激によって痛みが出たり、歯の治療に用いる金属のアレルギーが原因になっていることもあります。味覚障害を伴っている場合には、血液中の亜鉛が欠乏していることが原因となっていることもあります。

■舌の痛みの種類

  • 臨床検査などで異常が無い原因不明の舌痛症。
  • アフタ性口内炎(原因は不明とされています)に伴うもの
  • ビタミン欠乏や貧血が原因とされるもの。
  • 入れ歯などの歯科的装具が口に合わず、物理的な刺激によって痛みが出る場合。
  • 味覚異常にみられる亜鉛欠乏が関係している場合。
  • 口腔内乾燥症。
  • 免疫力の低下などで起こるカンジダなどの口腔内の真菌症(カビ)。
  • 抗がん剤などの副作用
  • 多剤内服による副作用
  • 舌癌、角化症などの腫瘍性病変

■舌の痛みの治療

上記のように原因がはっきりしている場合は、原因に対する治療が行われます。すなわち、ビタミン補充療法や亜鉛療法、歯科的な治療が行われます。またカンジダなどに関しては、抗真菌剤がよく使用されます。
問題は、原因がはっきりしないいわゆる舌痛症の治療です。
この治療には、あまり心配せず、悪い病気でないことを認識してもらうことも大切です。舌がんを心配される方も多いですが、舌癌は食事の際も痛みが消えません。食事の際に症状を忘れているような場合は、舌癌の可能性は極めて低いです。治療には時間がかかりますが、根気よく治していく努力が必要です。発症から受診までの期間が短い人ほど予後が良いといわれています。

舌痛症の症状があれば、不安がらずに耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。

 

2021年12月13日

■舌がんとは

口の中全体のことを口腔と呼び、口の中にできるがんのことを総称して「口腔がん」と呼びます。

口腔がんの中でも、がんができる部位によって分類され、舌にできるがんのことを「舌がん」と呼びます。
舌がんは口腔がんの中で最も発生頻度が高いがんです。

症状としては、しこりがある、色の変化(白・赤など)がみられる、ただれや口内炎の症状が2週間以上続くといったものが代表的です。がんが進行すると、しびれや麻痺、味覚障害、痛み、出血といった症状が起こります。

比較的男性が多く、年齢層としては50~70歳代が発症しやすいですが、若い年代でも発症することもあります。

■舌がんと口内炎の違い

舌がんが発生していても気づきづらく、口内炎と見分けがつかないことが多くあります。

違いとしては、口内炎は何もしなくても痛みが出ることがありますが、舌がんはよほど大きくならないと痛みは生じません。
また、舌がんと口内炎の違いとしては、しこりを感じる、2週間以上症状が続き、小さくなる傾向がないといった特徴があります。

■舌がんの原因

喫煙や過度な飲酒は舌がんを含む口腔がんの大きな要因であるとされています。

■舌がんの検査診断

がんの疑いのある部位を視診と触診により、大きさや形といった状態をみて診断を行います。
ただ、舌がんに似た疾患(白斑症や口内炎等)も多いため、正確な診断には病変の一部分を切り取り、顕微鏡による組織検査が必要です。

■舌がんの治療

舌がんの主な治療法は手術です。

がんは周囲の細胞に取り込んでいる恐れがあるため、周囲の部分も含めて切除する必要があります。
がんが小さければ、切除する範囲も少なく、舌の機能への影響なく治療できますが、がんが進行していると、舌の半分以上を切り取らなければならず、日常生活に支障が出るケースもあります。こうしたケースの場合はがんを切除すると同時に、太ももや腹部の組織を移植し、舌を再建する手術も行います。

手術でがんを切除しきれなかった場合や、首のリンパ節など他の部位への転移がみられる場合には、放射線治療や抗がん剤治療を行います。

以上のようにがんが進行すると治療に大きな負担がかかります。
口内の異変や口内炎が2週間以上治らないといった症状がありましたら、受診をおすすめいたします。

2021年5月20日

ただいま編集中です。

2021年5月20日

■口内炎とは

口内炎とは口の中の粘膜に生じる炎症の総称で、できる部位によっては舌炎、歯肉炎、口唇炎などと呼ばれることがあります。

もっともよく見られるのは、痛みを伴う数ミリの灰白色斑(アフタ)でアフタ性口内炎と呼ばれます。歯で噛んだり、歯ブラシで傷つけたり、やけどなどの傷に雑菌が入り込んで起こりますが、ビタミン不足、ストレスなども関係するといわれています。

特殊な原因として、ヘルペス、手足口病、はしかなどのウイルスによる口内炎、性病の一症状としてあらわれる口内炎、カビによる口内炎、アレルギーによる口内炎などがあります。

治りにくい口内炎と思っているケースの中には初期のがんのこともあります。

■口内炎の種類

  • アフタ性口内炎
    アフタ性口内炎は一般的な口内炎です。
    普段の食事・栄養に偏りがある場合や、ストレスがあると、できやすいと言われています。
  • カタル性口内炎
    カタル性口内炎は頬の内側をかんだり、歯の矯正や入れ歯の金具によって口の中が傷つき細菌が感染したり、熱いものを食べたり、飲んだりした際の軽いやけどが原因で口内炎が起こったものです。
  • 感染性口内炎
    単純ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルス、エンテロウイルス、カンジダ菌、溶連菌などの感染によって口内炎を発症し、発熱を伴うこともあります。これらのウイルスや菌は口の中にいる常在菌と呼ばれるウイルスや菌が多く、免疫力が下がると発症しやすくなります。
  • アレルギー性口内炎
    歯の矯正器具や入れ歯の金具、歯の詰め物などによってアレルギー反応を起こし、
    金属があたっている部分に口内炎ができます。
  • ニコチン性口内炎
    喫煙者に多く見られる口内炎で、タバコのニコチンが原因で起こります。
    ニコチン性口内炎はがんの初期症状である可能性もあるので、2週間以上続く場合は診察を受けられた方がよいです。

■口内炎の治療

炎症を抑える飲み薬や抗ウイルス薬、抗菌薬など原因と症状によって使い分けます。直接患部に塗布するステロイド剤や抗ウイルス剤の塗り薬などを処方します。

口の中が乾燥すると、口内の常在菌が繁殖しやすく口内炎ができやすくなりますので、水分を多めに取り、消毒効果のあるうがい薬やトローチを処方することもあります。

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