いびきがひどい

■扁桃肥大とは?

扁桃肥大とは、口蓋扁桃が肥大する状態で、3歳頃から大きくなり、6~7歳頃にピークとなりその後少しずつ小さくなります。扁桃肥大が原因で、呼吸障害や食べ物が飲み込みにくい、食事に時間がかかるなどの飲み込み障害、いびきによる睡眠時無呼吸、寝起きが悪い、日中眠そうにしているなどの睡眠障害などの症状を引き起こす可能性があります。

■扁桃肥大の症状

■扁桃肥大の治療方法

特に症状がない場合は経過観察です。大きいだけで手術をする事はありませんが、肥大による症状の程度が強い場合は、扁桃を手術で摘出することもあります。その場合、手術・入院ができる病院を紹介します。

■アデノイド増殖症とは?

アデノイドはリンパ組織のかたまりで、鼻の奥の突き当たり、喉の一番上である上咽頭にあります。2歳頃から徐々に大きくなり、6~7歳頃に最大となり、その後、自然に小さくなっていくことが多いです。アデノイド増殖症が原因で中耳炎を繰り返したり、鼻づまりやいびき、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こすことがあります。

■アデノイド増殖症の症状

  • 鼻づまり
  • 鼻声
  • 口呼吸
  • 普段から口を開けている
  • いびき(睡眠時無呼吸)
    などがあります。

■アデノイド増殖症の治療方法

基本的には、6~7歳でアデノイドの大きさはピークになり、それ以降は縮小していくことが多いため、上記のような症状がない場合には経過観察を行っていきます。
呼吸障害や睡眠障害の程度がひどい場合は鼻づまりに対する治療を行い、改善がない場合は手術が必要になる事もあります。また、滲出性中耳炎や副鼻腔炎などを発症している場合は、それに対する治療を行います。

■扁桃肥大・アデノイド増殖症が引き起こす悪影響について

空気の通り道が狭くなるため、鼻づまり・口呼吸・いびきがあり、重症化した場合は寝ている間に呼吸が一時的に止まる「睡眠時無呼吸症候群」が起こることもあります。幼児の場合、寝起きの悪さ、日中の強い眠気による居眠り、集中力の低下、学習障害、発達障害、夜尿症などが起こります。子どもが風邪を引いて、鼻づまり、口呼吸、いびきを起こすことはよくありますが、風邪の症状が軽くなってもこれらの症状が続く場合は、扁桃肥大やアデノイド増殖症と考えられますので受診してください。また、アデノイド増殖症があると滲出性中耳炎や副鼻腔炎が治りにくくなります。
アデノイドが大きくても、呼吸障害や睡眠障害への影響が大きくなければ、経過観察を行います。手術が必要な場合は連携病院を紹介します。

■検査

診断には、内視鏡やレントゲン検査でアデノイドの大きさを確認します。いびきがひどい、寝起きが悪い、寝ている間に呼吸が止まるなどの症状があれば、寝ている間の呼吸の検査をします。鼻や指、胸に装着する小さな機械を貸し出し、自宅で通常通り寝てもらい、翌日コンピュータで解析します。
検査の結果、アデノイドが極端に大きく、睡眠時の低酸素血症などが認められる場合には、手術が必要になることもあります。全身麻酔と入院が必要ですので、本人も親も大変ですが、非常に効果が高い場合が多いです。アデノイドの大きさがそれほど極端でなく、睡眠時の低酸素血症などがなければ、アデノイドが徐々に小さくなることに期待して、中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を治療しながら、様子を見ることもあります。
※当院では早ければ5歳以降に睡眠時無呼吸症候群の検査を行っています。その結果を基に扁桃肥大・アデノイド増殖症の影響を確認します。

睡眠時無呼吸症候群についてはこちら

 

2021年5月20日

▼こんな症状ありませんか?

眠っている時 

◇大きないびきを周囲に指摘される
◇時々息が止まっていると心配される
◇息が苦しくて目が覚める、自分のいびきで目が覚める
◇トイレに何度も目覚める

朝起きた時 

◇喉がカラカラに渇いている
◇頭痛がある、だるさがある
◇スッキリ起きることができない
◇目覚ましをかけているのに起きられない

日中、起きている時 

◇昼食後にウトウト眠ってしまう
◇運転中に眠気を感じることが多い
◇十分寝たはずなのに強い眠気を感じる
◇全身のだるさや疲れが取れない
◇昼寝をしないと仕事が出来ない

上記に該当する方は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、日常生活に支障をきたし、重症な場合夜間突然死や、脳卒中を引き起こしたり、交通事故につながることのある病気です。

▼睡眠時無呼吸症候群の病態

睡眠中に空気の通り道が狭くなり、呼吸するときにのどが振動することによって生じる音がいびきです。つまりいびきをかくということは、空気の通り道が狭くなっている証拠です。

他にも寝汗をかく、寝相が悪い、何度もトイレに起きる等の徴候があります。

熟睡できていないため日中の強い眠気や倦怠感、疲労感、集中力の低下などを引き起こし日中の活動に様々な影響が生じます。

特に居眠り運転につながり、重大な事故を引き起こす可能性もあります。

高血圧、糖尿病、心不全、不整脈、脳卒中など心血管障害のリスクが高まると言われています。

▼睡眠時無呼吸症候群の原因

扁桃肥大、アデノイド、鼻炎、副鼻腔炎、筋力低下、肥満、深酒

▼睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法

・簡易検査(自宅で検査をすることができます)

まずは医師による診察を受けていただき、そこで簡易検査が必要と判断されれば、自宅でできる簡易検査を行います。この検査では睡眠中の呼吸の状態、血液中の酸素飽和度等を同時に測定し、無呼吸・低呼吸の有無を調べることができます。

検査はご自宅で簡単に行うことができ、テープでセンサーを貼り付け、本体のボタンを押して検査をスタートさせ、いつもどおり眠っていただくだけです。この検査の結果によっては、さらに精密な入院検査が必要となります。

■検査料金(保険適用)
3割負担の方:2700円 1割負担の方:900円
※初診料・再診料や、必要に応じて処置・別の検査・投薬を行った場合は別途費用が発生いたします。

▼睡眠時無呼吸症候群の治療

・CPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

機械とホースでつながっているマスクを鼻に装着し、鼻から気導へと空気が送り込まれる機械です。

・外科的手術

小児で気道が狭くなっている原因が扁桃肥大やアデノイドの場合は、摘出手術が有効な場合があります。

・歯科装具(マウスピース)の装着
・鼻づまりや鼻の諸症状のある場合は内服や点鼻薬による鼻炎の治療
・生活習慣の改善

肥満傾向の場合は食事療法・運動療法で減量する

減酒(アルコールは喉の筋肉を緩める作用があるため、いびき、無呼吸を引き起こしやすくなる)

まずはご自身のいびきの原因とその程度を知るために受診されることをお勧めします。

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