鼻水がでる

2023年2月10日

上顎洞がんとは

上顎洞がんとは、副鼻腔のなかの上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる部分に生じるがんのことです。
上顎洞は鼻の左右側方に対で存在する空洞です。

上顎洞がんは、鼻詰まりや鼻水といった症状が現れることもありますが、初期段階では自覚症状がないことも少なくありません。

治療は、手術や放射線治療、化学療法などが行われますが、顔の中心部に生じるがんであるため、
機能面はもちろん美容的な面も考慮されます。

上顎洞がんの原因

上顎洞でのがんの発生には、いくつかのリスク因子が知られています。

たとえば、粉塵(木材など)や金属(ニッケル)などに暴露されることで、がんの発生リスクが高まると考えられています。
職業によってはこうした物質への暴露リスクが高いため注意が必要です。

また、喫煙習慣もがんの発生につながる可能性が指摘されています。
タバコの煙には多くの発がん物質が含まれており、喫煙をすることで空気の通り道に相当する上顎洞に直接的に有害物質が運ばれます。
その結果、がんの発生につながることが推定されます。

その他にもがんの発生との関連が推定される因子はいくつかあるといわれています。

上顎洞がんの症状

鼻詰まりや鼻水といった副鼻腔炎のような症状が現れることがあります。
しかし、初期の段階では症状に乏しいことも少なくありません。

がんが周囲の組織を圧迫すると、鼻血や頭痛、眼球突出、複視(ものが二重に見えること)などが生じることもあります。
また、口腔内にがんが広がることから、歯茎の腫れや歯の痛み、口腔内の腫れなどの症状も出現します。

さらに、上顎洞がんは頭蓋骨の中に進展することもあります。
この際、脳神経が障害を受け、さまざまな神経症状が出現することもあります。

上顎洞がんの検査・診断

上顎洞内のがんが疑われる場合には、ファイバースコープを用いてがんの病変を直接的に観察します。
また、必要であれば組織採取して顕微鏡の検査に提出します。

 

2021年12月8日

■急性鼻炎(鼻風邪)とは

急性鼻炎(鼻かぜ)とはウイルスや細菌、ほこりや粉塵、化学物質などが鼻の粘膜に感染し、急性炎症を起こしている状態です。

■急性鼻炎(鼻風邪)の原因と症状

▼急性鼻炎(鼻風邪)の原因
原因の約90%はウイルスで、風邪症状を起こすウイルスの種類は200種類以上あると言われています。
幼少児では1年に6~8回、成人では1年に数回は風邪にかかると言われており、非常によくみられる病気です。

▼急性鼻炎(鼻風邪)の症状

  • 鼻づまり
  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 臭いがわからない

など

■急性鼻炎(鼻風邪)の診断

急性鼻炎の多くは風邪の一種ですので、ほとんどの場合、特別な検査をすることはありません。鼻の中を鼻鏡で診察し、鼻の粘膜の色調や、鼻水の性質を確認します。
また急性鼻炎の症状(鼻づまりや鼻水、くしゃみなど)は、アレルギー性鼻炎の症状とほぼ同じで、簡単には判別ができない場合は、アレルギー検査を行うこともあります。アレルギー検査は一般的には注射による血液検査で判断しますが、当院では注射を使わず、指先から少量の血液で判定可能なアレルギー検査も可能です。

■急性鼻炎(鼻風邪)の治療方法

(1)ウイルス感染だけと考えられる時は、鼻の炎症を抑える薬を処方します。
(2)細菌感染を起こしている時(青緑の鼻水が続いているとき)は、レントゲンで副鼻腔炎の有無と程度を確認し、抗生剤などを処方します。
(3)ネブライザー治療

急性鼻炎のほとんどの原因はウイルスであるため、対象療法が治療の中心です。
受診された際には鼻水を吸引し、ネブライザー治療を行い、鼻づまり、鼻水を改善する薬を処方します。

■風邪にかからないためには

風邪に感染する主な経路は、コロナウイルス感染と同じで、咳やくしゃみに含まれるウイルスを直接吸い込むことによる飛沫感染と、ウイルスに触れた手などを介して伝播される接触感染があります。
風邪にかからないためには、これらの感染経路を遮断することが重要で、特にこまめに手洗いすることが一番大切です。マスクは、鼻からあごの下までしっかりフィットするように着用してください。
また、体の免疫力を保つために、できるだけ過労・睡眠不足・ストレスを避けて、栄養バランスのとれた食事を心がけてください。

特に小さなお子さんは、託児所や保育園で風邪ウイルスをもらい、急性鼻炎を繰り返すことがあります。
急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性鼻炎になってしまい鼻水が止まらなくなると、急性中耳炎、急性副鼻腔炎にもなりやすくなってしまいます。
鼻水が多い時や止まりにくい時は、耳鼻咽喉科で早めに治療しましょう。

2021年5月20日

■アレルギー性鼻炎・花粉症とは

アレルギー性鼻炎とは原因物質を鼻から吸い込んだときに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでる疾患です。原因が花粉などの場合は時期が限られますが、ハウスダスト(ほこり)やダニなどの場合には1年中症状が続きます。アレルギーの原因 は血液検査で調べることが可能です。原因が分かると計画的に治療を行うことができます。

■アレルギー性鼻炎・花粉症の原因

アレルギーを引き起こす原因物質を「アレルゲン」といいますが、アレルゲンにはいろいろなものがあります。
また、どんなものでもアレルゲンになる可能性があります。そのため人によってアレルゲンは違ってきます。

アレルゲンとして代表的なものには、
・家のほこり(ハウスダスト)
・花粉(北海道ではシラカバ、イネ科の雑草、ヨモギなどが多い)
・ダニ
・カビ
・昆虫(ガ、ゴキブリなど)
・ペットの毛
などがあります。

また、アレルギー反応が気管でおこると喘息がおこります。
さらに、皮膚でアレルギー反応がおこるとアトピー性皮膚炎がおこります。
ですので、喘息やアトピー性皮膚炎がある方は、鼻水やくしゃみや鼻づまりが続く場合、アレルギー性鼻炎になっていることがあります。

■当院のアレルギー検査について

当院では血液検査でのアレルギー検査を行っております。

▼対象
・採血できる方

食物アレルギーなども含め、最大39品目まで保険にて検査することができます。
気になる品目だけを選択(13項目まで)して、検査することも可能です。

■アレルギー性鼻炎・花粉症の治療方法

1,抗原の除去

アレルギー性鼻炎の治療の原則は、原因となるアレルゲンの除去です。

寝具を含む室内の掃除をこまめにしたり、カーペットや布張りのソファーを避けるなど、ダニ対策を中心とした環境整備を行います。

また、花粉症の場合には、花粉が飛散する時期にマスクを付けて外出するなどの対策も行います。

 

2,薬物療法

治療としては、アレルギー反応を抑える薬(のみ薬や鼻にさすスプレー)を使います。

のみ薬は種類がたくさんあり、人によっては効き目がマイルドだったり、副作用の眠気が強くでることもあります。

当院では患者さんの症状やライフスタイルにあうものを投薬します。西洋の薬だけでなく漢方薬も含めてご案内します。

 

3,舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルギー性鼻炎を根本的に治すことが期待できる治療です。

アレルギーの原因となる抗原を少しずつ体内に入れ、体を慣らすことによって、長期に渡って症状を抑えたり薬の量を減らすことが出来ます。

免疫療法には、注射で行う皮下免疫療法と、薬を舌の下に入れる舌下免疫療法があり、当院では、舌下免疫療法による外来治療を行っております。

 

舌下免疫療法は、ダニおよびスギ花粉に対して行われており、1日1回少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。口の中の痒みや不快感などの副作用が出ることがありますが、皮下免疫療法に比べると重い副作用は出にくいといわれています。

初回の服用は医療機関で行い、その後は自宅で毎日服用を続けます。

2021年5月20日

■副鼻腔炎(ちくのう症)とは?

鼻の周囲の顔の骨の中は一部が空洞になっており、その空洞のことを「副鼻腔」といいます。ほほや両目の間、ひたいなどに副鼻腔があり、それぞれの副鼻腔は鼻とつながっています。
鼻水・鼻づまりなど、鼻の炎症が起こる場合に、副鼻腔も同時に炎症を起こすことがあります。この状態を副鼻腔炎(ちくのう症)と言います。急性期は副鼻腔の炎症が強く、膿が蓄積すると激しい痛みや膿のような鼻水が出ることもあります。また慢性化すると副鼻腔内部の粘膜が腫れてポリープを形成することもあります。
感染だけではなく、アレルギーによって発症することもあります。

■副鼻腔炎(ちくのう症)の治療方法

レントゲンを撮影し、副鼻腔に膿がたまっていないか、どれくらいたまっているかを確認します。また、ファイバースコープによる鼻内の診察を行うこともあります。

治療として鼻と副鼻腔内の膿を除去するための副鼻腔開放処置、ネブライザー治療、薬の投与などを行います。

アレルギーが原因の場合はそれに対する検査、治療を併用します。

通院治療で改善が見られない場合は手術をおすすめすることもあります。
手術は実績の豊富な信頼のできる病院を紹介しています。

■治療上の注意点

  • 副鼻腔炎(ちくのう症)の治療は、数回の外来治療での完治は困難な場合もあり、治療期間はある程度長くなることもあります。
  • 1~2週間は集中的に通院して下さい。(毎日通う必要はありません。)個人差がありますが、数週間~数か月の治療期間が必要です。
  • 3つの治療をおこないます。通院による鼻から副鼻腔をきれいにする処置と、ネブライザー(噴霧器)による薬の吸入と、薬の服用です。
  • 治療の終了は、はじめに撮影したレントゲンの重症度と、治療による症状の改善具合をみて判断します。
  • 鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合や、頻回に副鼻腔炎を繰り返す場合は医療提携機関での手術をすすめることもあります。

     

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