鼻声

2021年5月20日

■アレルギー性鼻炎・花粉症とは

アレルギー性鼻炎とは原因物質を鼻から吸い込んだときに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでる疾患です。原因が花粉などの場合は時期が限られますが、ハウスダスト(ほこり)やダニなどの場合には1年中症状が続きます。アレルギーの原因 は血液検査で調べることが可能です。原因が分かると計画的に治療を行うことができます。

■アレルギー性鼻炎・花粉症の原因

アレルギーを引き起こす原因物質を「アレルゲン」といいますが、アレルゲンにはいろいろなものがあります。
また、どんなものでもアレルゲンになる可能性があります。そのため人によってアレルゲンは違ってきます。

アレルゲンとして代表的なものには、
・家のほこり(ハウスダスト)
・花粉(北海道ではシラカバ、イネ科の雑草、ヨモギなどが多い)
・ダニ
・カビ
・昆虫(ガ、ゴキブリなど)
・ペットの毛
などがあります。

また、アレルギー反応が気管でおこると喘息がおこります。
さらに、皮膚でアレルギー反応がおこるとアトピー性皮膚炎がおこります。
ですので、喘息やアトピー性皮膚炎がある方は、鼻水やくしゃみや鼻づまりが続く場合、アレルギー性鼻炎になっていることがあります。

■当院のアレルギー検査について

当院では血液検査でのアレルギー検査を行っております。

▼対象
・採血できる方

食物アレルギーなども含め、最大39品目まで保険にて検査することができます。
気になる品目だけを選択(13項目まで)して、検査することも可能です。

■アレルギー性鼻炎・花粉症の治療方法

1,抗原の除去

アレルギー性鼻炎の治療の原則は、原因となるアレルゲンの除去です。

寝具を含む室内の掃除をこまめにしたり、カーペットや布張りのソファーを避けるなど、ダニ対策を中心とした環境整備を行います。

また、花粉症の場合には、花粉が飛散する時期にマスクを付けて外出するなどの対策も行います。

 

2,薬物療法

治療としては、アレルギー反応を抑える薬(のみ薬や鼻にさすスプレー)を使います。

のみ薬は種類がたくさんあり、人によっては効き目がマイルドだったり、副作用の眠気が強くでることもあります。

当院では患者さんの症状やライフスタイルにあうものを投薬します。西洋の薬だけでなく漢方薬も含めてご案内します。

 

3,舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルギー性鼻炎を根本的に治すことが期待できる治療です。

アレルギーの原因となる抗原を少しずつ体内に入れ、体を慣らすことによって、長期に渡って症状を抑えたり薬の量を減らすことが出来ます。

免疫療法には、注射で行う皮下免疫療法と、薬を舌の下に入れる舌下免疫療法があり、当院では、舌下免疫療法による外来治療を行っております。

 

舌下免疫療法は、ダニおよびスギ花粉に対して行われており、1日1回少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。口の中の痒みや不快感などの副作用が出ることがありますが、皮下免疫療法に比べると重い副作用は出にくいといわれています。

初回の服用は医療機関で行い、その後は自宅で毎日服用を続けます。

2021年5月20日

■副鼻腔炎(ちくのう症)とは?

鼻の周囲の顔の骨の中は一部が空洞になっており、その空洞のことを「副鼻腔」といいます。ほほや両目の間、ひたいなどに副鼻腔があり、それぞれの副鼻腔は鼻とつながっています。
鼻水・鼻づまりなど、鼻の炎症が起こる場合に、副鼻腔も同時に炎症を起こすことがあります。この状態を副鼻腔炎(ちくのう症)と言います。急性期は副鼻腔の炎症が強く、膿が蓄積すると激しい痛みや膿のような鼻水が出ることもあります。また慢性化すると副鼻腔内部の粘膜が腫れてポリープを形成することもあります。
感染だけではなく、アレルギーによって発症することもあります。

■副鼻腔炎(ちくのう症)の治療方法

レントゲンを撮影し、副鼻腔に膿がたまっていないか、どれくらいたまっているかを確認します。また、ファイバースコープによる鼻内の診察を行うこともあります。

治療として鼻と副鼻腔内の膿を除去するための副鼻腔開放処置、ネブライザー治療、薬の投与などを行います。

アレルギーが原因の場合はそれに対する検査、治療を併用します。

通院治療で改善が見られない場合は手術をおすすめすることもあります。
手術は実績の豊富な信頼のできる病院を紹介しています。

■治療上の注意点

  • 副鼻腔炎(ちくのう症)の治療は、数回の外来治療での完治は困難な場合もあり、治療期間はある程度長くなることもあります。
  • 1~2週間は集中的に通院して下さい。(毎日通う必要はありません。)個人差がありますが、数週間~数か月の治療期間が必要です。
  • 3つの治療をおこないます。通院による鼻から副鼻腔をきれいにする処置と、ネブライザー(噴霧器)による薬の吸入と、薬の服用です。
  • 治療の終了は、はじめに撮影したレントゲンの重症度と、治療による症状の改善具合をみて判断します。
  • 鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合や、頻回に副鼻腔炎を繰り返す場合は医療提携機関での手術をすすめることもあります。

     

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