お子さんに優しい診療

お子さんに優しい診察

当院には連日たくさんのお子さんたちに受診していただいています。お子さんたちにとって耳鼻咽喉科の診察は怖いでしょうし、特にみみ・はな・のどの処置はある程度の不快感や苦痛を伴うこともあり、大人でも嫌だという方もいらっしゃいます。耳鼻咽喉科診療はお子さたちにとって決して気軽なことではないと思っています。
私自身も多くの病院でお子さんたちを診察し、できる限り不安や不快な思いがないように、かつ、正確で的確な診察と処置ができるように心がけてきました。そのノウハウを生かし、当院では小児診察における様々な工夫をして、お子さんにやさしい耳鼻咽喉科クリニックを目指しています。具体的には以下に当院の小児診察の方針・工夫を示します。

過去に何人もの看護師やスタッフに押さえつけられ、注射や鼓膜切開をされた経験のあるお子さんの中にはその記憶が一生残り、医療に対してトラウマになってしまう場合があります。その時点の状況によっては避けられない処置があるのも事実です。しかしながら、将来的なお子さんの心の健康を考えると、トラウマを作ってしまうのは良いことではないのかもしれません。
また、医療に対しトラウマを形成してしまったお子さんの診察は極めて難しくなることが多く、正確な診断ができなくなり、結果としてそのお子さんの健康を損なうケースもあります。子供の頃の体験がもとで、大人になっても病院にできるだけかかりたくないと我慢しているうちに、悪循環に陥って病気が重症化・進行してしまうことも実際多数あるのです。

まずどうしてそのお子さんが診察を嫌がるのかを保護者の方と会話・相談し、原因を探ります。他院での処置や治療が原因なのか、どの病院でも泣き叫ぶのか、単に眠かったり空腹なだけなのか、診察まで待たされて疲れたのか、様々な理由があることでしょう。
しかしながら、どれだけ最初は暴れたり泣き叫んでいたお子さんたちも、このクリニックでは痛いことをしないんだ、大丈夫なんだ、とわかってくれると徐々に信頼してくれ、時間がたてば必ず耳も鼻ものども見せてくれるようになります。早いお子さんでは数回の診察で、中には数か月を要すこともありますが、保護者の方と相談し、根気よく通院・診察してもらうことで解決できています。

当院には他の耳鼻咽喉科を数軒回って、どこの病院でも診察ができなかった、診察を拒否されたというお子さんたちが多数受診されます。上記のように根気よくお子さんたちと信頼関係を築くようにお互い努力することで、どんなお子さんでもきちんと診察できるようになっています。そんなお子さんたちほど、「きちんと診察できるようになった自分」に自信が持てるようになると、むしろ積極的に診察に協力してくれるようになることが多いようです。
時間が許す限り、お子さんたちに挨拶をし、話しかけ、時には好きな食べ物を聞いたり、幼稚園の話を聞いたり、私自身も楽しみながらお子さんたちの緊張感をほぐし、正確で適切な診察・処置ができるよう努力・工夫しています。

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