舌痛症

■舌痛症とは

舌の表面は外見上異常がないのに、舌がヒリヒリとした慢性的な痛みやしびれた感じが続くのが舌痛症です。発生する部位は舌の先や縁に多く、舌の奥や中央が痛むこともあります。
人によっては入れ歯や歯列矯正具などの物理的な刺激によって痛みが出たり、歯の治療に用いる金属のアレルギーが原因になっていることもあります。味覚障害を伴っている場合には、血液中の亜鉛が欠乏していることが原因となっていることもあります。

■舌の痛みの種類

  • 臨床検査などで異常が無い原因不明の舌痛症。
  • アフタ性口内炎(原因は不明とされています)に伴うもの
  • ビタミン欠乏や貧血が原因とされるもの。
  • 入れ歯などの歯科的装具が口に合わず、物理的な刺激によって痛みが出る場合。
  • 味覚異常にみられる亜鉛欠乏が関係している場合。
  • 口腔内乾燥症。
  • 免疫力の低下などで起こるカンジダなどの口腔内の真菌症(カビ)。
  • 抗がん剤などの副作用
  • 多剤内服による副作用
  • 舌癌、角化症などの腫瘍性病変

■舌の痛みの治療

上記のように原因がはっきりしている場合は、原因に対する治療が行われます。すなわち、ビタミン補充療法や亜鉛療法、歯科的な治療が行われます。またカンジダなどに関しては、抗真菌剤がよく使用されます。
問題は、原因がはっきりしないいわゆる舌痛症の治療です。
この治療には、あまり心配せず、悪い病気でないことを認識してもらうことも大切です。舌がんを心配される方も多いですが、舌癌は食事の際も痛みが消えません。食事の際に症状を忘れているような場合は、舌癌の可能性は極めて低いです。治療には時間がかかりますが、根気よく治していく努力が必要です。発症から受診までの期間が短い人ほど予後が良いといわれています。

舌痛症の症状があれば、不安がらずに耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。

 

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