声帯結節とは
声帯は、左右2本のヒダ状からなる、発声するための器官です。
この2本のヒダが動き、空気を振動させることで発声することができます。
発声による振動で声帯がこすれ合い、物理的なストレスが大きくかかると、左右2本のヒダに硬いマメのようなものができ、これを声帯結節と呼びます。
声帯結節ができると、声がかれたり、痛みが生じる場合があります。
声帯ポリープと症状や治療法が似ていることから混同されやすいですが、ポリープは声帯の片方にできることが多く、声帯結節は両方の声帯にできることが多いです。
声帯結節の原因
声帯結節は声の出しすぎが原因です。
習慣的に大きな声を出す、歌う、叫ぶ、その他のどに負荷をかける発声を行うなど、慢性的に刺激を与え続けることによって、声帯がはれて結節ができます。特に発声しづらい状態で無理に声を出すことで声帯への大きな負担となり、声帯結節ができやすくなります。
特に幼稚園や小学校の先生といった日常的に大きな声を出す必要のある職業の方や、無理な大声を出す子どもに多くみられます。
声帯結節の検査診断
声帯を観察することで症状の診断を行います。
咽喉頭ファイバースコープを用いた内視鏡検査によって結節の有無を確認します。
声帯に結節がなく正常に見える場合でも、発声した際に中央付近に泡が溜まってくると、結節ができる一歩手前の状態であるため注意が必要です。
声帯結節の治療
大声を出すことや無理な発声等によるのどの酷使が原因であるため、治療方法としては、喉の安静に努め、経過観察を行います。炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤やステロイドといった薬物療法も必要に応じて実施します。
上記の治療でも改善が見られない場合は、手術治療を検討することになります。
ただ、手術によって結節を切除しても、のどの酷使があると再発してしまうケースも多くあるので、声帯に負担をかけないよう日常生活で注意することが重要になります。
再発を予防するためにのどに負担をかけない発声法を習得する方法もあります。
日常生活の留意点
日常生活で、声の出しにくい時にはすでに炎症が起こっている場合が多いため、無理に声を出さず安静にすることが重要です。
また普段から大きな声を出す機会の多い人は、発声の仕方や声帯への負担を考慮する必要があります。