前庭神経炎とは?
内耳と脳をつないでいる前庭神経に炎症が起こる病気で、グルグルと激しく回るような強い回転性のめまいを引き起こします。めまいに伴って吐き気や嘔吐がみられることも多くありますが、耳の聞こえには異常がないことが特徴です。
風邪のあとに発症することが比較的多いことからウイルスの感染が原因だと考えられていますが、明確には解明されていません。男女とも30歳代~50歳代によく発症します。
前庭神経炎の症状
突然起こる激しい回転性のめまいが特徴で、じっとしていても体や頭がぐるぐる回る感じがします。めまいに伴って吐き気や嘔吐がみられることも多くありますが、意識障害や麻痺、難聴などはみられず、直接生命に危険のある病気ではありません。
まためまいの症状でよくみられる良性発作性頭位めまい症の場合は、頭を動かした時にめまいが起こるのに比べて、前庭神経炎ではじっとしていてもめまいが続くことが特徴です。
激しいめまいは2~3日から1週間程度続くこともあり、その間は歩くこともできない場合もあります。その後ゆっくりと症状は落ち着いてきますが、ふらつきなどは数ヶ月にわたって残ることもあります。
前庭神経炎の検査方法について
まずは、目の動きをみます(医学的には“眼球振とう=眼振”といいます)。
頭を動かして目の動きがどう変わるかを確認する検査などを行い診断します。
前庭神経炎の治療方法とは?
急性期(めまいが強いとき)はめまいの症状軽減のため抗めまい薬などを使います。また嘔気や嘔吐がある場合には、制吐薬なども使用します。とにかく落ち着くまでは安静が重要です。
しかし急性期が過ぎた後は、積極的に動いて前庭代償(めまいになれる機能)を促す必要があります。